WH疑問文とは「具体的な中身」をたずねる疑問文
疑問文には、大きく二種類あります。ひとつは Yes / No で答えられるもの、もうひとつは具体的な中身を答えるものです。
- Do you like coffee? ― Yes, I do. / No, I don’t.(Yes / No で答える)
- What do you like? ― I like tea.(「何を」という中身を答える)
前者は否定文・疑問文の記事で扱った Yes / No疑問文です。そして後者、**What(何を)・Where(どこで)・Who(誰が)**といった疑問詞を使って、具体的な中身をたずねるのが、この記事で扱う WH疑問文です。
WH疑問文と呼ばれるのは、使われる疑問詞の多くが what・where・when・who・why・which と、つづりの頭に wh が付くからです(how だけは例外的に h で始まりますが、仲間として同じグループに入ります)。
- Where do you live?(どこに住んでいますか)
- When does the movie start?(映画はいつ始まりますか)
- Why are you sad?(なぜ悲しいのですか)
これらを「疑問詞ごとに作り方を丸暗記する」と、数が多くて大変です。しかし、WH疑問文には一本の単純な筋が通っています。それは ── Yes / No疑問文を作って、その頭に「知りたいこと(疑問詞)」を置くだけ、というものです。前の記事で学んだ Yes / No疑問文の作り方が、そのまま土台になります。
この記事では、まずこの作り方の根本(§2)を押さえ、疑問詞の一覧(§3)、be動詞・一般動詞での具体的な作り方(§4)、そして主語をたずねるときの例外(§5)を整理していきます。
なぜこの形になるのか ― Yes / No疑問文の頭に疑問詞を置く
WH疑問文の作り方は、二つの手順に分けると、すっきり理解できます。
手順1:まず Yes / No疑問文を作る。 手順2:たずねたい部分を疑問詞に変えて、文頭に置く。
実際にやってみましょう。「あなたは何がほしいですか」とたずねたいとします。
出発点は、ふつうの文です。
- You want something.(あなたは何かがほしい)
これを、まず否定文・疑問文で学んだやり方で、Yes / No疑問文にします。一般動詞 want の文なので、do を借ります。
- Do you want something?(あなたは何かがほしいですか)
ここで、知りたいのは something(何か)の中身です。そこで、この something を「何を=what」に変えて、文の頭に置きます。
- What do you want?(あなたは何がほしいですか)
これで完成です。土台になっている Do you want ~? の部分は、Yes / No疑問文そのままです。その頭に what を乗せただけなのが分かります。
- Do you want something? (Yes / No疑問文)
- What do you want?(その頭に疑問詞を置いた)
このように、WH疑問文は、ゼロから新しい形を覚えるのではなく、すでに知っている Yes / No疑問文に、疑問詞を一つ足したものなのです。だから、前の記事の「be動詞は前へ、一般動詞は do を借りる」という仕組みが、そっくりそのまま使えます。
なるほどコラム:なぜ疑問詞は文頭に来るのか WH疑問文で、疑問詞がいつも文の先頭に立つのには理由があります。英語には、「その文でいちばん知りたいこと・伝えたいこと(焦点)を、前に出す」という感覚があります。WH疑問文で本当に聞きたいのは、まさに疑問詞の部分(何を・どこで・なぜ)です。だから、その「いちばん知りたいこと」を文の先頭に立てて、真っ先に示すのです。おもしろいことに、これはthere is / areで見た「新情報は後ろに置く」という傾向とは、逆向きの動きに見えます。しかし、どちらも「重要な情報をどこに置くか」という同じ関心から生まれた、英語の語順の感覚です。平叙文では新情報を後ろに、疑問文では知りたい焦点を前に ── 情報の置き方が、文の目的によって変わるわけです。
疑問詞の一覧
WH疑問文で使う疑問詞を、一覧で整理します。それぞれ「何をたずねるか」が決まっています。
| 疑問詞 | たずねるもの | 例文 |
|---|---|---|
| what | 何 | What is this?(これは何ですか) |
| who | 誰 | Who is that man?(あの男性は誰ですか) |
| whose | 誰の | Whose bag is this?(これは誰のかばんですか) |
| when | いつ | When is your birthday?(誕生日はいつですか) |
| where | どこ | Where do you live?(どこに住んでいますか) |
| why | なぜ | Why are you late?(なぜ遅れたのですか) |
| which | どれ・どちら | Which do you want?(どれがほしいですか) |
| how | どのように・どんな | How do you go to work?(どうやって通勤しますか) |
最後の how は、つづりは h で始まりますが、WH疑問文の仲間です。how は単独で「どのように・どうやって」をたずねるほか、後ろに語を続けて、いろいろな「程度」をたずねる仲間を作ります。
| how の仲間 | たずねるもの | 例文 |
|---|---|---|
| how many | いくつ(数) | How many books do you have? |
| how much | いくら(量・値段) | How much is this? |
| how long | どのくらい長く | How long did you wait? |
| how old | 何歳 | How old are you? |
how の仲間も、作り方の考え方は同じです。「how + 語」のまとまりを一つの疑問詞のように扱い、文頭に置きます。
作り方 ― be動詞・一般動詞で
§2 で見たとおり、WH疑問文は「Yes / No疑問文の頭に疑問詞を置く」だけでした。Yes / No疑問文の作り方は、否定文・疑問文で学んだとおり、be動詞か一般動詞かで変わります。WH疑問文も、その違いをそのまま引き継ぎます。
be動詞の文 ― be動詞を疑問詞の後ろに
be動詞の文では、be動詞を主語の前に出して Yes / No疑問文を作りました。WH疑問文では、その前に疑問詞を置きます。
- This is a pen.(これはペンだ)
- → Is this a pen?(Yes / No疑問文)
- → What is this?(これは何ですか)
語順は「疑問詞 + be動詞 + 主語」です。
| 例文 | 構造 |
|---|---|
| Where are you? | where + are + you |
| Who is she? | who + is + she |
| Why is he angry? | why + is + he angry |
一般動詞の文 ― do / does / did を使う
一般動詞の文では、do / does / did を借りて Yes / No疑問文を作りました。WH疑問文でも、同じく do を使い、その前に疑問詞を置きます。
- You live somewhere.(あなたはどこかに住んでいる)
- → Do you live somewhere?(Yes / No疑問文)
- → Where do you live?(どこに住んでいますか)
語順は「疑問詞 + do / does / did + 主語 + 動詞の原形」です。
| 例文 | 構造 |
|---|---|
| What do you want? | what + do + you + want |
| Where does he live? | where + does + he + live |
| When did they leave? | when + did + they + leave |
ここでも、否定文・疑問文で見た原則がそのまま効いています。does や did を使ったら、後ろの動詞は原形に戻ります(does he lives ではなく does he live)。do が人称・時制を引き受けるので、本動詞は原形でよい ── あの仕組みが、WH疑問文でも変わらず働いているのです。
つまり、WH疑問文で新しく覚えることは、ほとんどありません。Yes / No疑問文が作れるなら、その頭に疑問詞を足すだけ。be動詞なら「疑問詞 + be + 主語」、一般動詞なら「疑問詞 + do + 主語 + 原形」── この二つの語順を押さえれば十分です。
主語をたずねるときは ― do がいらない
WH疑問文には、ひとつだけ特別なパターンがあります。それは、疑問詞そのものが主語になるときです。ここはWH疑問文でいちばんつまずきやすい所なので、しっかり押さえましょう。
これまで見てきた WH疑問文は、主語以外の部分(目的語・場所・時など)をたずねるものでした。
- What do you want?(want の目的語「何を」をたずねる)… 主語は you
- Where does he live?(live の場所「どこに」をたずねる)… 主語は he
これらは主語(you, he)が別にあるので、§4 の手順どおり Yes / No疑問文にして、do を使いました。
ところが、「誰がその窓を割ったのか」のように、「誰が」という主語そのものをたずねる場合は、話が変わります。
- Who broke the window?(誰がその窓を割ったのですか)
この文には、do がありません。Who did break ~? とはしません。なぜでしょうか。
理由は、疑問詞 who が、そのまま主語の位置に座っているからです。ふつうの文 Someone broke the window.(誰かが窓を割った)の主語 someone を、who に置きかえただけ、と考えると分かります。
- Someone broke the window.(誰かが割った)
- → Who broke the window?(誰が割ったのか)
主語 someone を who に変えただけなので、語順を動かす必要がありません。§2 で見た WH疑問文の手順は「Yes / No疑問文にして、たずねたい部分を文頭へ動かす」ものでしたが、主語をたずねる場合は、たずねたい部分(主語)がもともと文頭にあります。だから動かす必要も、do を借りる必要もないのです。語順はふつうの文(主語 + 動詞)のまま、主語を疑問詞に変えるだけ。
| たずねる対象 | 例文 | do は |
|---|---|---|
| 主語以外(目的語・場所など) | What do you want? | 要る(一般動詞のとき) |
| 主語そのもの | Who broke the window? | 要らない |
この「主語をたずねるときは do がいらない」というルールは、丸暗記する例外ではありません。疑問詞が主語の位置にそのまま入るから、語順をいじる必要がない── そう理解すれば、自然と納得できます。who(誰が)や what(何が)が主語になるときに、よく起こります。
- Who lives here?(誰がここに住んでいますか)… Who lives(× Who does live)
- What happened?(何が起きたのですか)… What happened(× What did happen)
つまずきポイント
WH疑問文で間違えやすい点を整理します。多くは「Yes / No疑問文の頭に疑問詞を置く」という原則に立ち返れば防げます。
つまずき1:疑問詞の後ろを、ふつうの文の語順にする
疑問詞を頭に置いただけで、後ろを平叙文(ふつうの文)の語順のままにしてしまう誤りです。
- 誤:What you want?
- 正:What do you want?(疑問詞 + Yes / No疑問文の語順)
§2 のとおり、疑問詞の後ろは「Yes / No疑問文」の語順です。一般動詞なら do が必要で、What want you? でもなく、What do you want? が正解です。
つまずき2:主語をたずねるのに do を使う
§5 で見た例外です。主語そのものをたずねるときは、do を使いません。
- 誤:Who did come to the party?
- 正:Who came to the party?(主語をたずねるので do なし、語順そのまま)
疑問詞が主語の位置に入るので、語順を動かす必要も、do を借りる必要もありません。
つまずき3:be動詞の文に do を使う
否定文・疑問文と同じ罠です。be動詞の文なのに do を持ち込む誤りです。
- 誤:Where do you are?
- 正:Where are you?(be動詞は自分で動くので do は不要)
WH疑問文でも、be動詞か一般動詞かの区別はそのまま効きます。be動詞なら do は要りません。
つまずき4:does / did の後ろを原形にし忘れる
これも前の記事と同じで、助っ人を使ったのに本動詞の形を戻し忘れる誤りです。
- 誤:Where does he lives?
- 正:Where does he live?(does を使ったら原形)
§4 のとおり、does / did が人称・時制を引き受けるので、後ろの動詞は原形に戻します。
まとめ早見表
WH疑問文の作り方を整理します。基本は「Yes / No疑問文の頭に疑問詞を置く」、ただし主語をたずねるときだけ例外です。
| たずねる対象 | 語順 | 例文 |
|---|---|---|
| 主語以外(be動詞) | 疑問詞 + be動詞 + 主語 | Where are you? |
| 主語以外(一般動詞) | 疑問詞 + do/does/did + 主語 + 原形 | What do you want? |
| 主語そのもの | 疑問詞 + 動詞(ふつうの語順、do なし) | Who broke it? |
主な疑問詞は、次のとおりです。
| 疑問詞 | 意味 | 疑問詞 | 意味 |
|---|---|---|---|
| what | 何 | which | どれ |
| who | 誰 | whose | 誰の |
| when | いつ | how | どのように |
| where | どこ | why | なぜ |
作るときの手順は、こうです。
- まず Yes / No疑問文を作る(be動詞は前へ、一般動詞は do を借りる)。
- たずねたい部分を疑問詞に変えて、文頭に置く。
- ただし、たずねたいのが主語そのものなら、語順はふつうのまま、主語を疑問詞に変えるだけ(do は使わない)。
WH疑問文は、疑問詞ごとに別々の作り方を覚えるものではありません。土台は否定文・疑問文で学んだ Yes / No疑問文で、その頭に「いちばん知りたいこと」を疑問詞として乗せる ── これが基本の考え方です。主語をたずねるときに do がいらないのも、「疑問詞が主語の位置にそのまま入るから、語順を動かす必要がない」という一つの理屈で説明できます。Yes / No疑問文さえ作れれば、WH疑問文はその応用にすぎません。
次に読むとよい記事
WH疑問文は、Yes / No疑問文の作り方が土台になっていました。基礎を合わせて確認しておきましょう。
- 否定文・疑問文の作り方 ― WH疑問文の土台になる Yes / No疑問文。be動詞と一般動詞の作り方の違い
- be動詞の基本 ― 自分で動ける be動詞の使い方
- 一般動詞の基本 ― do という助っ人を借りる一般動詞の使い方