分詞とは?―「する側」と「される側」を表す形容詞

現在分詞(-ing)と過去分詞(-ed/en)の違いを、動詞が形容詞に化けるという成り立ちから解説。boring/boredの使い分けから、分詞の網羅的な用法まで整理します。

次の英文、どちらが正しいでしょうか。

This movie is boring.
This movie is bored.

正解は boring です。では、なぜ bored ではだめなのでしょうか。

I am bored.
I am boring.

こちらは反対に、「私は退屈している」という意味では bored が正解です。boring と bored、interesting と interested——このペアの使い分けに苦手意識を持つ方は少なくありません。

「-ing の方が能動、-ed の方が受動」と丸暗記することもできますが、それではなぜそうなるのか、応用が利きません。この記事では、分詞がどのような成り立ちを持つ形なのかから出発して、この使い分けを根本から理解できるようにします。

分詞の成り立ち―動詞が形容詞に化けた形

分詞(participle)は、動詞を変化させて形容詞として使う形です。動詞の変化形には、現在分詞(-ing)と過去分詞(-ed / 不規則変化形)の2種類があります。

excite(興奮させる)→ exciting(興奮させるような)/ excited(興奮させられた=興奮した)
break(壊す)→ breaking(壊れつつある)/ broken(壊された=壊れた)

ここで、動名詞の記事で確認した「動詞が姿を変える」という発想を思い出してください。動名詞は動詞が名詞に化けた形でした。分詞はそれと対になる存在で、動詞が形容詞に化けた形です。

変化名前働き
動詞 → 名詞動名詞「〜すること」(名詞として文中に収まる)
動詞 → 形容詞分詞「〜している/〜された」(名詞を修飾する・補語になる)

形容詞は名詞の性質を説明する言葉です。「大きい」「赤い」と同じように、分詞も名詞の状態や性質を説明します。ただし分詞は元が動詞であるため、ただの性質ではなく、動作の向きという情報を運びます。この「向き」こそが、現在分詞と過去分詞を分ける最大のポイントです。

現在分詞=「する側」、過去分詞=「される側」

動詞には、動作を「する側」と「される側」という2つの視点があります。

The movie excites me.
(その映画が私を興奮させる)= 映画が「する側」

この文の動詞 excite を分詞にするとき、どちら側に視点を置くかで形が変わります。

  • exciting=「興奮させる(する)側」に視点を置いた形。映画そのものの性質を表す。 → This movie is exciting.(この映画は興奮させる=面白い)
  • excited=「興奮させられる(される)側」に視点を置いた形。人が受けた影響を表す。 → I am excited.(私は興奮させられた=興奮している)

つまり、

分詞向き意味
現在分詞(-ing)する側(能動)〜させるような・〜している
過去分詞(-ed/不規則)される側(受動)〜させられた・〜された

boring は「退屈させる(する)側」=映画や授業など、退屈の原因そのものの性質。bored は「退屈させられる(される)側」=人が受けた結果の状態。これで、冒頭の疑問の理由がはっきりします。

映画は人を退屈させるなので boring、人は退屈させられるなので bored なのです。

なるほどコラム: 現在分詞の -ing はもともと動作が進行中であることを表す形として発達し、過去分詞は「すでに完了した動作の結果」を表す形として発達しました。「する・している最中(-ing)」と「され終わった結果(-ed)」という時間的な前後関係が、そのまま能動・受動の向きの違いに重なっていったと考えられています。動詞から生まれた2つの分詞が、時間の流れの中で自然と役割を分担していったのです。

名詞を修飾する分詞―前置修飾と後置修飾

分詞は形容詞ですから、名詞を修飾する働きがあります。修飾の仕方には、名詞の前に置く「前置修飾」と、名詞の後ろに置く「後置修飾」の2種類があります。

前置修飾:分詞1語だけで名詞を修飾する場合

a sleeping baby(眠っている赤ちゃん)
a broken window(割れた窓)

分詞が単独(他の語句を伴わない)で名詞を修飾するときは、形容詞と同じように名詞の前に置きます。sleeping baby は「(今)眠っている赤ちゃん」=する側、broken window は「割られた窓」=される側です。

後置修飾:分詞が他の語句を伴う場合

the boy playing soccer in the park
(公園でサッカーをしている男の子)

the letter written by her
(彼女によって書かれた手紙)

分詞が目的語や修飾語句(playing soccer in the park、written by her など)を伴い、2語以上のまとまりになるときは、名詞の後ろに置きます。これは、修飾する情報量が多くなるほど、名詞の前に押し込むと文が読みにくくなるためです。英語は基本的に「短い情報は前から、長い情報は後ろから」という語順の原則を持っており、分詞の前置・後置もこの原則に従っています。

修飾の形条件
前置修飾分詞1語のみa sleeping baby
後置修飾分詞+語句the boy playing soccer in the park

補語になる分詞―感情動詞に要注意

分詞は形容詞として、SVCやSVOCの補語にもなります。特に注意が必要なのが、excite, interest, surprise, bore, disappoint, satisfy のような「人の感情を引き起こす」動詞(感情動詞)の分詞です。

これらの動詞は、もともと「〜という感情を(人に)起こさせる」という意味を持ちます。主語がその感情の原因である場合は現在分詞、主語がその感情を受けた人である場合は過去分詞になります。

The news was surprising.(その知らせは驚かせるようなものだった)
I was surprised at the news.(私はその知らせに驚いた)

His story is interesting.(彼の話は興味深い)
I am interested in his story.(私は彼の話に興味がある)

SVOCの文型でも同様の判断が働きます。

The movie made the audience excited.
(その映画は観客を興奮させた状態にした)

made(SVOC)の目的語 the audience は「興奮させられる側」なので、補語には過去分詞 excited が来ます。

主な感情動詞の分詞(対比表)

動詞現在分詞(する側)過去分詞(される側)
exciteexciting(興奮させる)excited(興奮した)
interestinteresting(興味深い)interested(興味を持った)
surprisesurprising(驚かせる)surprised(驚いた)
boreboring(退屈させる)bored(退屈した)
disappointdisappointing(がっかりさせる)disappointed(がっかりした)
satisfysatisfying(満足させる)satisfied(満足した)
confuseconfusing(混乱させる)confused(混乱した)
tiretiring(疲れさせる)tired(疲れた)

主語やモノが「原因」であれば -ing、人が「結果」として感情を受け取っていれば -ed。この視点さえ押さえれば、この型の動詞はすべて同じ理屈で判断できます。

現在分詞と動名詞の識別―見た目が同じだからこそ

動名詞の記事でも触れましたが、現在分詞と動名詞は同じ -ing の形をしているため、混同しやすい組み合わせです。ここで改めて、成り立ちの違いから整理します。

Swimming is my favorite sport.(動名詞:動詞が名詞に化けた形。文の主語)
The swimming girl is my sister.(現在分詞:動詞が形容詞に化けた形。girlを修飾)

判別のコツは、その -ing が名詞の働きをしているか、形容詞の働きをしているかを見ることです。

  • 主語・目的語・補語として「〜すること」という意味の名詞になっていれば → 動名詞
  • 名詞を修飾したり、「〜している」という状態を説明する補語になっていれば → 現在分詞
I enjoy swimming.(swimming は enjoy の目的語=動名詞)
I saw a swimming girl.(swimming は girl を修飾=現在分詞)

同じ -ing でも、文中でどんな仕事をしているかによって呼び名も働きも変わる、という点を押さえておきましょう。

つまずきポイント

① 感情動詞の分詞を主語と合わせずに選んでしまう

誤:I am boring.(「私は退屈だ(つまらない人間だ)」という意味になってしまう)
正:I am bored.(私は退屈している)

誤:This movie is bored.
正:This movie is exciting.(この映画はわくわくする)

I am boring. は文法的には正しい文ですが、「私(という人間)が人を退屈させる」という意味になってしまいます。「私が退屈している」を言いたいときは、必ず bored(される側)を使います。主語が「感情を引き起こす原因」なのか、「感情を受け取る人」なのかを、動詞に手を付ける前に確認する癖をつけましょう。

② 前置修飾と後置修飾を混同する

誤:a playing boy soccer in the park
正:a boy playing soccer in the park

分詞が語句を伴って長くなっているのに、名詞の前に置いてしまう誤りです。playing soccer in the park のように2語以上のまとまりになる場合は、必ず名詞の後ろに置きます。「分詞1語だけなら前、語句を伴うなら後ろ」というルールを機械的に当てはめるのではなく、「情報量が増えるほど後ろに回る」という英語の語順感覚として捉えると、他の後置修飾(前置詞句や関係詞節)にも応用できます。

③ 過去分詞と過去形を混同する

誤:I have a broke window.
正:I have a broken window.

不規則動詞の場合、過去形(broke)と過去分詞(broken)の形が異なることがあります。分詞として名詞を修飾する際は、必ず過去分詞の形を使う必要があります。不規則変化動詞は、過去形・過去分詞形をセットで覚えておくことが重要です。

④ 動名詞と現在分詞を取り違えて考えてしまう

This is a sleeping pill.(これは睡眠薬です=薬の「用途」を表す→動名詞的な発想の複合語)
This is a sleeping baby.(これは眠っている赤ちゃんです=赤ちゃんの「状態」を表す→現在分詞)

sleeping pill(睡眠薬)は、実は「眠っている薬」ではなく「眠るための薬」という意味です。この sleeping は用途を表す動名詞に近い働きをしており、慣用的に複合名詞として定着しています。一方 sleeping baby は文字通り「(今)眠っている赤ちゃん」という状態を表す現在分詞です。このように、慣用表現化した -ing 複合語では動名詞と現在分詞の境界が曖昧になることがあります。基本は「状態の説明=現在分詞」「用途・目的の説明=動名詞的」と捉えておくとよいでしょう。

まとめ早見表

現在分詞 と 過去分詞 の核心イメージ

現在分詞(-ing)過去分詞(-ed / 不規則)
核心イメージする側(能動)される側(受動)
成り立ち動詞が形容詞に化けた形動詞が形容詞に化けた形
感情動詞での意味〜させるような(原因)〜させられた(結果)
例(excite)exciting(興奮させる)excited(興奮した)

名詞修飾のルール

修飾の形条件
前置修飾分詞1語のみa sleeping baby
後置修飾分詞+語句the boy playing soccer in the park

主な感情動詞の分詞対比

動詞現在分詞(する側)過去分詞(される側)
exciteexcitingexcited
interestinterestinginterested
surprisesurprisingsurprised
boreboringbored
disappointdisappointingdisappointed
satisfysatisfyingsatisfied
confuseconfusingconfused
tiretiringtired

動名詞と現在分詞の識別

判別ポイント動名詞現在分詞
働き名詞(主語・目的語・補語)形容詞(修飾・補語)
意味〜すること〜している

次に読むとよい記事